認知症介護の経験で感じた事

ネットのニュースでみた、今現在40代の人たちが、10年後に親の介護に追われるようなコラムについて思ったことをつらつら。

私自身は、父の通院・入院の世話、母の認知症を含めた介護を30代で経験しましたが、仕事をしながらとはいえ、まだ体力があったので余裕があったと思っています。

そうは言っても次から次へと、さまざまな事が同時に起こるので楽ではなかったのが本心です。

独身であり、きょうだいや頼れる親類が遠方に住んでいたこともその要因かとは思っていますが。

10年後、2026年は今の政治や経済から見ると、景気は不透明、しかし定年延長と仕事が楽になるようには見えません。そこで親の介護を働きながら行うのは更に負担が増すのは目に見えています。

ネットで知識などはある程度調べる事ができましたが、私が経験した中で介護について不安に思ったことは

  1. 誰が親の介護をするのか
  2. 誰が介護のお金を負担するのか
  3. 介護する人間が息抜きできる環境はあるのか
  4. 介護のサポートをしてもらえるサービス先が近場にあるのか

上記の4つでした。

1誰が親の介護をするのか

兄や姉がいますが皆、県外で就職していて、たまたま俺が鳥取の勤務になって親の近くにいたので当然俺がやる事になりました。

押し付けとかではなく合理的に考えて自分がやるべきだろうと納得しての結論です。

2誰が介護のお金を負担するのか

親は年金を受給していたので、その収入の範囲で通院、入院、デイサービスの費用を賄うことができました。

ちなみに介護に関わるオムツ代などは源泉控除の対象になりますので、税金の確定申告をすれば戻ってくる可能性があります。

3介護する人間が息抜きできる環境はあるのか

介護による精神的疲労はうつ病などにつながる可能性は高いでしょう。

いくら自分の親とはいえ、いや自分の親だからこそウ◯チ、オ◯ッコを布団のなかで漏らした場面を目の当たりにしたり、徘徊を心配しなければならなかったりショックに襲われます。

加えて、子供であれば学習をして徐々に改善されますが認知症の場合は改善が見込めません。

体力がなければ尚更です。

私は、筋トレをするだけでストレス発散になる単純な性格で、介護も筋トレと考えていた分、職場の同僚には大変そうに見えなかったようです。

でも、今40代の人がどんなストレス発散の趣味を持っているかは分かりません。

それこそ家でもできる趣味がないと、その人自身がストレスで病気になることも十分考えられます。

4介護のサポートをしてもらえるサービス先が近場にあるのか

いざ、老人介護福祉について探そうにもどこに相談していいか最初はわからなかったんですが、地域の民生委員さんの紹介で家から比較的近いデイケア施設に入所の相談をすると、すぐに通所できるようになりました。

田舎なので施設の余裕があったこともあり入所まで待つ期間はありませんでした。

ところが都会や人口の多いところでは施設の数が少ないので待機をするケースがあるようです。

とくに特別養護老人ホームになると希望者の体調や介護度により優先順位が変わるそうなので単純な順番待ちとは言い切れません。

そしていざ空きができた場合でも2、3日以内に入所手続きをしないといけないこともあるようです。

人にはそれぞれの生活で、さまざまな状況があるので一概には言えませんが、私の中では大きなウエイトをしめた点を踏まえて書いてみました。

でも悩む程度に不安が大きくなってきたらすぐに自治体の福祉関連(役所・役場)に相談することをおすすめします。

やはりプロに相談してみるのが解決まで早いです。税金を納めているならここぞと言う場面で活用するのが正解です。

以上です。

認知症介護日記その4/母のデイケア施設での通所リハビリテーション。しかしまだ油断はできなかった。

(2019年12月9日修正)

通所リハビリテーションで過ごす日々が始まる

基本は楽しくおしゃべり

母がデイケア施設に通うことになってからは、朝9時前に送迎の車が来て施設へ行きぬり絵や折り紙、ちょっとしたゲームなどのレクリエーションをしつつ同じように通う方たちとお喋りして夕方6時過ぎに帰ってくる生活が始まりました。

 お喋りが脳に良い影響を与えるのか、それまでの無表情の生活から、私との会話でも笑顔が増えている様に感じ施設に通う決定をして良かったと思いました。

おしゃべりも認知症予防に効果があるようです。

安心できる食事

食事代はかかりましたが、3食を施設で用意してもらう様にお願いしました。

このことにより、実家に食品を置かないと決めたので、母が腐ったものを口に入れることがなくなりました。

油断は禁物

熱が出ていると連絡が

ところがある日、私が勤務中にデイケア施設のケアマネージャーさんから電話があり

「下痢をおこして、微熱があります。かかりつけのお医者さんにお母さんを受診させてください。私たちでは受診の付き添いはできません。」

と連絡があり、すぐに上司へ休みをとる事を伝え母をかかりつけの医院へ連れていきました。

 お医者さんからは「原因は不明だが風邪じゃないか」とのことでした。

やっぱり大量のみかんの皮が 

家に帰ってから、食品の買い置きはしていないと思いつつ気になって居間のテーブルのクロスをめくると大量のミカンの皮が目に入りました。

二日前の夕方にテーブルの下を片付けて綺麗に掃除したのに、20個近くのミカンの皮がそこにはありました。おそらく移動販売にきた業者さんから買ったものと考えられました。

日中はデイケアに行って不在なので、前日の夕方に買ってテーブルの下にいれ、一晩で食べたと考えられました。

母は身長150センチなく体重40キロもない小さめの身体でしたが、大量のミカンを一晩で食べたために、お腹をくだしたようでした。

そして、もしやと思い家のトイレを見ると、大便の臭いとそこら中についた便が目に飛び込みげんなりしました。トイレの掃除をして、そして布団のシーツも汚れていたので洗濯もしました。

デイケア施設に通うになって紙おむつをする様になったので以前より衣類の汚れがひどくないだけでも精神的には楽でした。

認知症の症状の一つで、食欲の制御ができなくなることは知られていますが、母の場合、その影響で下痢になる可能性は書いてなかったので油断していました。

移動販売業者さんには、私がお願いして家に果物を持って来てもらっていましたが、事情を説明して持ってこないでも大丈夫な話をしました。大変申し訳なく思いました。

このあとからは業者さんから食品を買う事がなくなったので下痢になることは格段に減りました。

高齢者の下痢は、赤ちゃんの下痢と同じぐらい危険です。脱水症状や栄養失調を招きます。

デイケアに通うことになり日々の体調管理もしていただく様になり異常が見られたらすぐに対応できるようになったのも、私の心理的負担の軽減につながりました。


以上で今回の話は終わりにします。

認知症介護日記その3/福祉協議会、行政に相談、専用のケア施設への通所を開始するまで

(2019年12月8日修正)

前回の記事はこちらです

認知症介護日記その2/更に進む認知症の症状・一人で介護する限界を感じた

「お母さんだから、何とかしたいのは分かるけど介護のプロに任せた方がお母さんのためにもあなたのためにも幸せよ」

ある方に母の事を聞かれ、いただいたアドバイスです。その方はお姑さんの介護をしてみた経験から思ったそうです。

母が他界してなお、全くその通りと改めて思います。

仕事に追われ、睡眠時間も減る毎日

仕事の忙しい時期になり、夜は10時ぐらいに家の様子を見に行き、そこからトイレの掃除、洗濯、ゴミの片付けなどをしていたらあっという間に深夜となり、朝はややゆっくりできたものの朝9時前には出勤していましたのが、習慣の筋トレまですると、さすがに疲れが出てきました。

父に入院先での世話も重なる

当然、父が入院しているので着替えや日用品などを病院へ持っていく必要もあったのでほぼ毎日、面会に行っていました。

私が休みの日は、できるだけ母を父に面会させたくてやはり病院へ足を運んでいました。

父は入院当初はまだ意思疎通が取れていましたので、お互いが顔を合わせるときは表情には出さないけど、会話のやりとりで嬉しそうな雰囲気はなんとなく伝わってきました。

異変に気づいた地域民生委員さんからの助け舟

母の様子がおかしくなっていることは、父が入院したこともあって、ご近所さんも感じていたようです。

母の様子を見にたまたま家に訪れた民生委員さんに状況を話してみたところ「鳥取市福祉協議会の人に連絡をとってみてあげる。」となりました。

それから数日で、人口の少ない田舎もあってか、福祉協議会の方からすぐに連絡があり、日時をあわせて家に訪問して母の認知症の疑いがあるか様子を確認しながら、今後の介護の方針を計画する話になりました。

福祉協議会職員さんと介護ケアマネージャーさんが来て面談

この段階では、まだお医者さんから診断を受けてはいないので、あくまでも認知症なしの状態で、普段の暮らしの食事の準備や洗濯など困っていることを聞き取りながら日常生活の自立度を見つつ、介護認定区分の調査項目に照らし合わせ介護度を認定をする流れとなりました。

母自身は「困っていることは何もないです」と言うものの、明らかに身の回りのことができていないのは介護ケアマネージャーさんからも見て気づかれたようでした。

また私の勤務形態で日中に家の中で問題行動が原因のトラブルかあっても対応できない状況から、通常の認定区分より介護度が高くなったこともあり、通所リハビリテーションとしてデイケア施設に通うところから始めようとなりました。

この段階では介護認定区分は要支援2だったと記憶しています。

デイケア施設にお世話になることが決定

デイケア施設では通所しながら日常生活のリハビリテーションを受けることになりましたが、

  • 送迎
  • 食事
  • シャワー・入浴着替え

以上の通り、ほぼ生活全般を見てもらえることになり、かなり私の負担が減りました。

大人用紙おむつも交換していただけるようになり、トイレ掃除の回数がほぼなくなりました。

ありがたかったのは、食事でした。有料ですが栄養管理がされた食事が増えて、前回のブログにも書いていますが腐ったものを食べる等体調不良による通院の不安が大幅に解消されました。

また薬の飲み忘れもしないようにサポートもしていただけました。

施設に通う費用は、介護度や世帯収入でやや高めでしたが母の年金の範囲で何とかなる負担でした。

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これより介護認定区分が高くなると行政からの補助が出るので割安になりました。

この記事を読んでいる方でまだ親御さんもご自分も元気な方ならしっかりとした介護保険に加入されることをおすすめします。

デイケア施設では、できないこと

ただし、本人の持病や風邪によるお医者さんへの通院支援は法律上できないそうで、必ず家族が付き添うか、本人が一人で行くしかないとのことでした。

熱があったりなどで通院した方が良いと施設の介護士さんから連絡があれば、休みをとり付き添って対応していました。

柔軟に休みを取らせてもらえた自衛隊の当時の職場の上司には感謝しています。

短いですが今回はこれくらいで。

次回はこちらです。

認知症介護日記その4/母のデイケア施設での通所リハビリテーション。しかしまだ油断はできなかった。