夏の房総半島の海水温低下について

(2020年2月29日修正)

2018年6月29日関東甲信地方が梅雨明けとなりました。昭和26年の観測開始時から史上初6月中の梅雨明けだそうです。

夏になると日本の南東海上に優勢な高気圧が発生して南西風をもたらします。ところがこの南西風が強く吹く時は房総半島の太平洋側沿岸の海面で水温低下が発生します。

サーフィンを始めて間もなく、気象海洋の知識がそれほどない頃の私は海に入った時にこの現象がなぜ起きるのか不思議でした。

房総半島に南西風が吹いても南西海上から温かな海の水が運ばれてくるだけなのに、特に南西の風が強く吹く14時ぐらいには3mmジャージフルスーツ(手足とも長袖で、スーツ表面から内部に海水が浸透する素材で作ってあるウェットスーツ。主に春や秋に活躍する物)を着ないと1時間もせず体が冷え切ってしまう程度の海水温に低下します。水温としてはおそらく18〜22℃程度でしょうか。

サーフボード SURFTECH サーフテック GERRY LOPEZ 6’0” SOMETHING FISHY QUAD-FIN RED ジェリー・ロペス


このことを当時の気象予報士で上司の幹部自衛官に質問したところ、

「エクマン輸送により海底から冷たい海水が海面に上がって来てるからだろう。」

と説明を受けました。

エクマン輸送(参考:wikipedia湧昇)とは、北半球の場合、風向き対して右90°に働くコリオリ力(転向力ともいう)が作用し結果として海表面の水が陸地から沖に向かってしまう現象です。その補完として海底から海表面に上がってくる現象が沿岸で発生します。これを沿岸湧昇と言います。

エクマン輸送は数日に渡り同じ風向が維持された場合とwikiでは記載されていますが、実際のところ房総半島において海陸風に伴うような南よりの風でも沿岸湧昇が発生しているのが事実です。

たまに夏のサーフトリップで房総半島に行ったサーファーからサーフトランクスだけで海に入ったら水温が低くて驚いた話を聞きます。

海陸風は晴れた空模様で日の出から4時間後あたりから吹き始め、一日の気温が最大となる14時前後がピークとなります。

参考に千葉県勝浦市の2018年6月30日アメダスデータのスクショを貼っておきます。概ね晴れの日だったので気圧配置も相まって南南西の風が卓越しています。

最高気温は27.3℃となっていますが、関東地方は正午に30℃を超える真夏日となっている地点がほとんどです。

日差しと気温の高さもあって体感としては海水温の低さを強く感じます。

以上です。