（２０２１年５月２５日修正）
２０１８年６月２９日関東甲信地方が梅雨明けとなりました。昭和２６年の観測開始時から史上初６月中の梅雨明けだそうです。
夏になると日本の南東海上に優勢な高気圧が発生して南西風をもたらします。ところがこの南西風が強く吹く時は房総半島の太平洋側沿岸の海面で水温低下が発生します。
サーフィンを始めて間もなく、気象海洋の知識がそれほどない頃の私は海に入った時にこの現象がなぜ起きるのか不思議でした。
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南房総の海が冷たい時
房総半島に南西風が吹いても南西海上から温かな海の水が運ばれてくるだけなのに、特に南西の風が強く吹く１４時ぐらいには３mmジャージフルスーツ（手足とも長袖で、スーツ表面から内部に海水が浸透する素材で作ってあるウェットスーツ。主に春や秋に活躍する物）を着ないと１時間もせず体が冷え切ってしまう程度の海水温に低下します。水温としてはおそらく１８〜２２℃程度でしょうか。
このことを当時の気象予報士で上司の幹部自衛官に質問したところ、
「エクマン輸送により海底から冷たい海水が海面に上がって来てるからだろう。」
と説明を受けました。
エクマン輸送（参考：wikipedia湧昇）とは
北半球の場合、風向き対して右９０°に働くコリオリ力（転向力ともいう）が作用し、結果として海表面の水が陸地から沖に向かってしまう現象です。その補完として海底から海表面に上がってくる現象が沿岸で発生します。これを沿岸湧昇と言います。
エクマン輸送は数日に渡り同じ風向が維持された場合とwikiでは記載されていますが、実際のところ房総半島において海陸風に伴うような南よりの風でも沿岸湧昇が発生しているのが事実です。
たまに夏のサーフトリップで房総半島に行ったサーファーからサーフトランクスだけで海に入ったら水温が低くて驚いた話を聞きます。
海陸風で強まるエクマン輸送
海陸風は晴れた空模様で日の出から４時間後あたりから吹き始め、一日の気温が最大となる１４時前後がピークとなります。
参考に千葉県勝浦市の２０１８年６月３０日アメダスデータのスクショを貼っておきます。概ね晴れの日だったので気圧配置も相まって南南西の風が卓越しています。
最高気温は２７．３℃となっていますが、関東地方は正午に３０℃を超える真夏日となっている地点がほとんどです。
日差しと気温の高さもあって体感としては海水温の低さをより強く感じます。
何より風が強く吹くのでラッシュガードを着ていても身体の熱は奪われやすくなります。
ですので、サーフトリップで房総半島に行く寒がりなサーファーさんは真夏でも3ミリフルスーツを持っていくと良いでしょう。
FELLOW ウェットスーツ フルスーツ 3mm メンズ チェストジップ ストレッチ ジャージ スキン ノンジップ サーフィン SUP 日本規格
ショートボードは体が海の下に沈むことでより冷えが早いでしょう。小波であれば脚ぐらししか水に入らないのでファンボードがおすすめです。
コストコではあのレジェンドサーファーのジェリー・ロペスのソフトボードモデルが販売されました。しかも手に入れやすい金額で。下のリンクから参考にしてみてください
ジェリー・ロペスはサーフィンの神さまと言われるぐらいですが、そのリラックススタイルはロングボーダーには憧れの存在です。
他にもサーフィンに役立つようなブログ記事も書いています。良かったら参考にしてみてください。
波高の話／有義波高の解説／なぜ波浪予想の波の高さと実際に見るセットの波の大きさは違うのか。そしてその活用について。
以上です。