ゲリラ豪雨/メディアによる不安を煽る言葉

使われるようになったのは私が海上自衛隊に入隊し気象観測業務に従事するようになってしばらくしてからぐらいだったと記憶しています

WiKiを調べると2006年あたりからテレビ等で使われるようになったそうです。

「ゲリラ豪雨」は正式な気象用語ではない

「ゲリラ豪雨」は気象庁が正式名称に採用してません。あくまで一部メディアが用いている造語となります。

また「ゲリラ豪雨」の解説をいくつか見ると

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2023年4月6日宮古島周辺で起きた陸自ヘリコプター墜落に関わる諸々解説

この記事を書いている時点では防衛省からの発表は墜落事故とされることのみの発表で搭乗者の安否については不明です。

搭乗されていた方の早期の発見を祈っています。できれば生きていてほしいと切に願っています。

概要

  • 時間:15:56ごろ
  • 場所:宮古島北端から2kmあたり
  • 当時の気象状況:宮古島アメダス観測から南の風5.5m /s天気曇り(16:00のデータを参照)

地上天気図とひまわり雲画像も参考にすると、雨は降っていませんがいわゆる積雲のもこもこした雲が空の大部分を覆っている感じかなと経験上考えます。

2023年4月6日宮古島アメダス観測データ

気象庁サイトから引用

2023年4月6日18時地上天気図

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偵察用?気象研究用?気象観測用気球について元気象観測のプロとして解説します

2024年2月2日アメリカ国防総省が中国から飛来した偵察用の気球がアメリカ上空高度約18000m(60,000〜65,000フィート)を飛行していることを発表し、同月4日14時39分アメリカ空軍のF-22戦闘機がサイドワインダー対空ミサイルで撃墜したと一連の事件の報道がアメリカをはじめ日本だけでなく世界的に報道されました。

偵察用とアメリカ国防総省が指摘しても、中国側は民間の気象研究用の気球が誤ってアメリカに侵入したものと公式発表しています。

日本のSNSやさまざまなニュースコメントで「気象観測ラジオゾンデの気球だ」と書かれている物が多く散見されました。

著名人でもほぼ詳しく触れることなくアメリカのニュースの引用ばかりだったので、偵察用か気象用かははっきりとは言っていません。

私は海上自衛隊の気象観測を主とした職種だったので、高層気象観測もどのような器材や測器を使うか知識と経験があるので解説します。

気象観測で気球を使う「高層気象観測(GPSゾンデ観測)」

この画像は気象庁高層気象台のサイトより引用しています。

気象庁高層気象台のサイトのリンク「気球を用いた高層大気の観測について」のページです

https://www.jma-net.go.jp/kousou/obs_second_div/about_sonde/about_sonde.html

毎日午前9時と午後9時にスタートする、ラジオゾンデ観測に使われるヘリウムガスを充填した直径5m程度の気球にパラシュートと観測器材を取り付けたものが画像として貼られています。

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