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「波に乗る前にパドルで疲れます。どうやったら疲れないパドルになるのでしょうか?」
「そのパドルだと疲れませんか?」
海であまり会わないけど面識のあるロングボードの人が、ショートボードのように腕を思いっきり前に伸ばしてパドルをしている姿に違和感を感じ、たまらず声をかけてしまいました。
そして、いろいろ動きを見せてもらい気になることを1点挙げます。
×腕をできるだけ前に伸ばしてパドル
ロングボードやミッドレングスなど幅や厚みがある板には向いていません。
長いボードになると、まず前に腕を伸ばしてもボード幅からショートボードと比較して手が入る位置が前に行かず、かつ板が邪魔してパドル開始時は上腕三頭筋の力しか使えません。
そしてアドバイスとして伝えたのは、
⚪︎腕を伸ばさず広背筋まで使えるパドルをしてみましょう
ショート以外の板で広背筋まで導入する状態は両腕の開きをやや広め(私の場合は頭の先を中心に120°程度)にして手先を水に入れるのが一番効率良いと考えます。
ボードの種類に関わらず水を掻く距離が長ければ長いほど推進力が得られやすいと考えるのは、上腕三頭筋(二の腕のタプタプになりやすいところ)・肩周りの筋力だけではなく広背筋まで活用することが前提になります。
パドルの際、最も力を発揮できるのは肘まで水に浸かり、かつ手首の位置が肘よりも深いところにあり、肩よりも下半身側に手のひらがある状態です。
また水から手を上げるフィニッシュの際も、上級者は広背筋の筋力も導入し手のひらにスナップを利かせることができます。
このことにより推進力を得ることができますが、ショート以外ではボード幅が邪魔をして一番後ろまで水を掻くと同様に上腕と肩の筋力だけしか使えないので推進力が得られ難くなります。場合によっては腕が抵抗になっている可能性もあります。
パドルをする距離がショートより短くなって推進力が得られないのは、パドルだけの物理としては正しい考え方です。
しかし浮力のあるロングボードやミッドレングスならば海に沈んでいる体の面積がショートより少なく水の抵抗が小さいため、比較的軽いパドルで十分な推進力を得られ前に進むスピードがつきます。
ショートボードは、特にひざ下からつま先にかけて水に浸かってしまい身体の形状から水の抵抗が発生しやすくなっています。
ショートボードの上級者はこの抵抗を少なくするためテイクオフの最初だけバタ足するように足を空中に出している場合もあります。
肘でパドルをするイメージで
ロングボードやファンボードのパドルは肘あたりに力を集中させるイメージでやってみてください。手のひらで水を掻こうとするのではなく手先指先は脱力した状態の方がより水をキャッチしやすくなります。
パドル向けのトレーニング
広背筋を鍛えるなら懸垂、ローイング、ラットプルダウンがおすすめです。
懸垂は肩幅よりやや広めにバーを握ります。このとき親指をしっかり握りこむ必要はありません。
体を引き上げる際は広背筋を収縮させ肩甲骨を寄せることと胸をバーにつけることをイメージするのがより効果的です。
腕を曲げることはそこまで重要ではありません。ぶら下がることができる鉄棒より、公園や学校にある足が地面に着くような斜め懸垂ができる低い鉄棒の方が効果が大きいのですが、独学でしっかり広背筋に効かせるの意外と難しいと思います。
ジムに行ける方ならローイングとラットプルダウンがおすすめです
ローイングについてはベントオーバーロウという種目になりますが下記の動画がおすすめです。
余談
海水が冷たくなる時期になるとフルスーツや地域によってはグローブをつけることになります。
そうなるとパドルの負荷が増すので夏場のようなパドルをするとすぐに疲れたり人によっては肩を痛めたりします。
逆に考えるとグローブやセミドライでパドルをする面積が広がったことによってある程度力を抜いてパドルを行なっても推進力は得られやすくなっています。
私自身は秋から春までの季節は、手で水をキャッチするのではなく肘でパドルをするイメージに切り替えています。
ソフトボードのミッドレングスは浮力があり特にリラックスしたパドルには最適です。
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道具が必要ないサーフィン向けのトレーニングも紹介しています。サーフィンの向上を目指している方は是非参考にしてみてください。
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以上です。