「もっと短くて薄いボードをオーダーしようと思ってます」
そんな感じの話をショートボードでサーフィン始めて3年目ぐらいの中級レベルの人と話をしました。
その人が持っている、上手い人から貸してもらっているというショートボードは、身長、体格、そして筋力に比べ長めで浮力がありそうなボードで私の経験から行くと明らかに胸以上の波では扱いが難しいボードだと直感で思いました。
目次
サーフィンを始めて経験をある程度積むと、ほとんどの人が壁にぶつかります
上級者と同じようなライディングがしたいけど自分が下手すぎ、体力がなさすぎと自分のフィジカル面を責める人もいますが、大体の人が自分では意識していないだけで初級者のころから使っているボードが性能的に限界になっているというケースが多いと感じます。
初級者の段階で使っているボードは、長めで浮力が大きい物が大半です。これが波のサイズが胸以上になってくるとほとんどの場合コントロールがうまくいかなくなります
ソフトボードでサーフィンデビューした人は特に注意
典型的な例はソフトボードやスポンジボートと呼ばれるビギナーでも簡単に波に乗れるボードです。
浮力が過剰にある=オーバーフローのボードは、テイクオフは楽ですが、立って横に走る分にはターン時レールをしっかり沈めるにはかなりの脚力が必要となります。また沖に出る時など波と一緒に巻かれるボードを離されないようしがみ付くと思いますが、これも普通のボードに比べてかなり体力を持っていかれます。
そこでレベルアップを考えてサーフボードを新しく購入するとなると、やはりオーダーするのが個人的にはおすすめです。
レベルアップしたいならオーダーしよう
オーダーとなると
そこで改めてサーフボードのオーダーについて経験を踏まえて考えると
- 同じ海で何度も一緒に入っているシェイパーに削ってもらう
- 自分の普段入っているポイントで普段入っているサーフボードでのライディングを動画で見てもらう
- 使っているボードのスペックを伝える
- どのような波で使うのか
- 何がしたいのか
- 現在のボードで不満な点を伝える
それではそれぞれの項目を解説します。
同じ海で何度も一緒に入っているシェイパーに削ってもらう
一番理想的なサーフボードが出来上がる可能性が高いと考えます。
自分の普段入っているポイントで普段入っているサーフボードでのライディングを動画で見てもらう
シェイパーさんと直接やり取りできるなら、誰か知り合いにスマホなどでライディング中の動画を撮影してもらい、見てもらう。
使っているボードのスペックを伝える
動画が撮れなくても、普段使っているボードについて伝える。
どのような波で使うのか
オーダーするボードで大きさはもとより、波のどのようなコンディションに乗るのかも伝える。例としては「胸以上の掘れた波」、「モモコシのパワーのない波」など。
何がしたいのか
「スピードをつけやすい」、「スプレーを飛ばしたい」などボードをどのようにコントロールしたいかなど。
現在のボードで不満な点を伝える
すでに触れた『何がしたいか』に対応しますが、「スピードがでない」、「回転性が悪い」、「テイクオフが遅く感じる」などなど…
サーフショップ経由でボードをオーダーする場合、面識のないシェイパーはオーダー用紙しか情報がなくクレームを恐れて、あくまで自身の経験をもとにボードを作ろうとするでしょう。
その結果たとえ「薄めで浮力少なめ」と伝えても多少ボリュームを持たせたボードが出来上がってくるのが現実です。
オーダー用紙の情報を補完するなら、百聞は一見にしかず、ライディング動画を見てもらうのが良いと考えます。
多くのプロサーファーは自身のサーフボードのオーダーについて「シェイパーさんおまかせです。細かいことは言いません。」と答えているサーフィン雑誌のインタビュー記事をたくさん見てきました。
プロサーファーとシェイパーとの情報交換量が多いことが伝わってきます。
私自身は南房総に住んでサーフィンを始める前にボディボードを3年ほどやっていましたが、その時、よく海で一緒に波乗りをしてシェイパーさんにお任せで初めてのサーフボードを作ってもらいました。
今思えば出来上がってきたボードは、初心者ボードとは考えられないほどオールラウンドで扱いやすいボードでした。
頭半ぐらいの波にも乗れる様になってからも、というか大きな波のほうが乗りやすいマジックボードでした。
オークションなどで中古品や既製品を購入する場合は
私自身、中古のサーフボードをネットオークションで何度か購入していますが、オークションで出品されているボードを見ている限り明らかに浮力がありすぎて扱い切れずに手放すスペックのボードが多いと感じています。
もちろん良スペックのボードも出品されてはいますが、すぐにそこそこ良い値段で落札されてしまいます。
過去に私が落札して手に入れたCOLE 5’0 AVISOというカーボンボードを3年ぐらい乗ってオークションに出品し、落札金額を見たら2万円ほどしか損をしていませんでした。確かに中級者以上が喉から手が出るほど欲しいスペックだったのは間違いありませんがまさか、そこまで価格が競り上がるとは思いませんでした。後で聞いた話ですが知人の何人かもチェックをしていたそうですw
従ってなかなか落札されないボードは中級者以上が手を出さないボードと言っても良いでしょう。
ブランドもですが、スペックについても当たり外れが大きいようなので経験豊富な知り合いにアドバイスを求めるのが賢明でしょう。
でも外れボードはやだな…
またレベルアップは意識しているけど失敗をしたくないと思うなら、有名メーカーのモールド・ボード(既製品)がハズレが少ないと感じます。有名メーカーのサイトに行くと波のコンディション別でボードがラインナップされています。注意するのは浮力(ボリューム)で初級者から中級者なら体重の40%以下のもの(例:体重60kgの場合 60×0.4=24(単位はリットル))は浮力不足になりかねません。
個人的には適切な浮力を選べば、概ねメーカーのカタログやサイトに表記してある波のコンディションで楽しめると経験上感じています。
下の画像はチャネルアイランド・サーフボードの英語サイト(リンクはこちら)のスクショです。適切な波なサイズやコンディション、サーファーのレベル等が表示され、かつ画像右にボードのスペックが表記されていますが、黒く強調されたセルに浮力を示す「29.7L」が見られます。
ただし中古品と同様に購入前に経験豊富なサーファーにアドバイスを求めるのが良いでしょう。
有名メーカーの既製品の利点は、オークションなどで高額で売れることにあります。
余談:ロングボードは?
ロングボードはショートボードとはまた違ったオーダーとなります。ロングボードについては詳しくないので詳細は省きますが、厚みに関して言えばノーズ、真ん中、テイルと三つに分かれて指定するようですし、シングルフィン、シングルスタビライザーなどフィンの設定も様々です。
秋から冬にかけてはレベルアップに最適です。良いサーフィンライフを送りましょう。
以上です。