令和元年(2019年)台風15号(ファクサイ)の被害から改めて防災士として考えるサバイバルテクニック

2019年(令和元年)9月8日から9日かけて関東に大きな被害をもたらし、9月15日現在もまだ停電が復旧できていない南房総の地域が多くあるのが現状です。

気象庁発表2019年9月9日09時地上天気図

そこで改めて被災直後からの確保要件とあわせて準備できることを確認したいと思います。

目次

確認・確保リスト

  • 自分または家族がケガをしてないか
  • 飲食品の確保
  • 雨風をしのげる場所の確保
  • 電源の確保
  • 移動手段の確保

ではそれぞれについて考えつくことをあげていきます。

自分または家族がケガをしていないか

自分があの世に行ってしまったら話がここで終わってしまうので、それはさておき。

自分や家族がケガをしていたら命に関わるかどうかが重要です。救急箱があれば十分ですが、できれば救急救命法を知識としても持っておくと良いかもしれません。

飲食品の確保

食べ物は缶詰のほか温めなくても食べられる長期間保存が可能なものを念のため持っています。缶詰は缶切りがなくても開けられるタイプです。

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乳幼児がいらっしゃるご家庭では保存の効く液体ミルクを確保しておくのがさらに良いかも。

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第二次世界大戦経験者の方のお家に呼ばれて何度かお邪魔したことがあるんですが、缶詰やレトルト食品をたくさん備蓄されていました。

ご本人は『調理や片付け楽だから』とおっしゃっていましたが、停電しても食べられるものを確保しているのは経験からくるものだなと感じました。

もし余裕があるなら、温め可能な保存食を備蓄することをおすすめします。

過去の被災された方の体験談の中で、自衛隊やボランティアの作った温かい炊き出しを食べた方の言葉に

「温かい物を食べると心が落ち着きます。」

と頻繁に聞かれます。

また陸上自衛隊のレンジャー資格を持っている隊員の方が食事に関して重視するのが「温食」であるかどうかとのことです。「温食」は身体を温めるので厳しいレンジャー訓練後には心を癒してくれるとの話です。

今は、火を使わなくても温められる保存食もありますので検討されるのも良いかも。

もちろんキャンプ道具を兼ねたにカセットコンロやバーナーがあるに越したことはありません。

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ただし寒い地方だとカセットコンロ用のガスボンベ缶は燃焼しにくくなるので、気になる方はOD缶=アウトドア缶のタイプがおすすめです。

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水も重要です。公的機関の給水支援が来るまで、早くても2日はかかるので飲料水なら一人あたり1日2リットルを目安に2日分は確保したいところです。でも傷口の消毒や衛生面を考慮するとプラスαで確保かなと。

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川の水も飲み水にできるという携帯浄水器も手段としてはありかも。ただし普段はおろかアウトドアでも滅多に使うことがないので、いざという時に使用不能となりかねないので管理はおろそかにしないよう気をつけたいところです。

雨風をしのげる場所の確保

雨風をしのげる場所は家が倒壊など甚大な被害を受けなければ問題ないですが、危険状態になって住めない状況ならどこか公共施設に避難することも視野に入れましょう。

私はテントを持っていますが家も公共施設も使えないというのはそうはないと考えられるので、キャンプに興味がない人には勧めづらいですが、例えば避難先でプライバシーの確保をしたいと思うなら体育館などの室内でもテントを貼って空間の確保をするには良いかもしれません。

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電源の確保

台風15号 市民の声「携帯電話もSNSもつながらない」(引用:NHK NEWS WEB2019年9月10日の記事)

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甚大な災害や重大なアクシデントに見舞われた際は停電でネットも携帯もつながらないとケースが多いとは思いますが、身体の安全を最優先にあげていますので、あえて優先度を下げています。

電気は特に確保できるように手回しタイプの充電器かなと。

でも小型のソーラーパネルがあると良いかもとは思います。

最近のものは殆どがUSB出力に対応し同時に数台分充電可能でスマホ、タブレット、高価なソーラーパネルではノートPCの充電も可能なくらいの発電量のようです。

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また、夜間でも電源を確保したいと思うなら小枝などを燃やして発電するBioLite キャンプストーブ2の様なタイプも有りかもしれません。

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家族が多い方には大容量ポータブル電源の方が良いかもと思います。ただし4.1kgの重さなので女性には重いかもしれません。

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もっと余裕があればエンジン発動機があるとかなり違うと思いますが、燃料の確保の面で使えるかどうかがネックになるのではないかなとも思います。

電源について詳しく触れた記事も書きましたので参考にどうぞ。

ポータブル電源あれこれ/アウトドアだけでなく災害時にも役立つグッズを紹介

トイレも重要

被災時以降悩むのはトイレですね。水が確保しづらい状況ならなおさらでしょう。優先順位では低くはなりますが、可能なら簡易トイレを準備しておくのをお勧めします。


移動手段の確保

3.11の東北震災の時に、陸自で災害派遣で出動した隊員から聞いた話ですが、初めに被災地に向かった隊員たちは道路が瓦礫で通れなくなって被害の大きな地域になかなか入れなく、作業に取り掛かるまで時間がかかったそうです。

道路が通れるかどうかで車への燃料が給油できるか、水・食料は調達できるか、公的機関の支援がいつ頃になるか、そういったことに影響がでてきます。車で避難生活をすることも考えますが燃料のことも頭に入れてなるべく移動手段は確保しておきたいと考えます。

車について注意したいのはハイブリット車です。

河川の氾濫や津波でエンジンルームまで浸かった際に発火する可能性があります。仮に走行中浸水する状況に陥ったら発火すると思ってすぐに逃げることを念頭に入れて避難しましょう。

上記はあくまで被災直後の確保要件です。長期的な対処はまた違ってきます。

災害が始まってインフラが応急的に復活するのは早くても2日程度、最悪の場合は一週間以上

過去の自然災害時において、一週間もすれば国や各自治体の支援が届くようになります。ただし、あくまで応急的なものと考えておきます。元の生活というと数ヶ月から状況によっては1年以上かかるのは過去の自然災害の被災状況をみれば確実でしょう。

日頃から備えておくのがやはり一番かなと改めて思いますが、サバイバルテクニックも疎かにできないと思い書き上げました。

気をつけること:バッテリーの劣化、消費期限

非常食の保管期限はもちろんですが、見落としがちなのは充電バッテリーの劣化と電池なら液漏れです。

一度充電したからといってその後使わなくてもバッテリーは減っていきます。また充電しない状態が長引くとこれもバッテリーの劣化につながり再充電してもバッテリー性能が落ちていしまいます。

そして電池については、電気としての劣化はそこまで落ちなくとも液漏れを起こします。

液漏れのまま放置するとライトやラジオの電池ケースの金属端子をダメにしてしまい機械自体が使えなくなる恐れが出てきます。また状況によっては発火することもありますので1年に1回ぐらいは確認しましょう。

以上です。