進学と自衛隊入隊に悩む方へ 予備自衛官補という制度の紹介

大学進学と高卒ですぐ入隊とどちらが良いですか?

広報官の業務をしていた時に、高校2〜3年生の自衛官を志す方(以下志願者)や、その保護者の方からとても多くあった質問です。

志願者の生活環境により、一概には言えませんでしたが大学に進学できる経済力がギリギリある家庭の場合は相当迷うのが伝わってきていました。

当時の私は広報官という立場からと、一般的な社会人としての考え方の両方を伝えていました。

具体的には、「私の広報官としての思いは自衛隊に入ってほしいと思います。しかし1人の大人としては進学する方をおすすめします。なぜなら入隊試験に必ず合格できる保証は有りません。しかし大学進学は学校推薦など取れれば確実に入学できます。そして、大学卒業してからならば、幹部候補生試験の資格も発生します。入隊のための選択肢が増えます。また大卒資格があれば、初任給が高卒者よりも高くなります。」

と回答していました。そして、「自衛隊への想いが強いなら予備自衛官補というものを受けてみるのをおすすめします。大学に通いながら年間に決まった訓練を行い、条件を満たせば予備自衛官となって災害派遣など緊急時に招集される隊員となる制度です。」

目次

予備自衛官補は大学在学中、企業勤務でも訓練が受けられる

予備自衛官補は予備自衛官になるための教育過程です。公式ページに詳細が書かれていますので、詳しく知りたい方は下記のリンクを参考にしてみてください。

引用:防衛省ホームページ「予備自衛官補の教育訓練

予備自衛官補は、予備自衛官になるための教育訓練プログラムの期間の身分となります。

2つのコースがあり、特別な資格が必要ないコースは「予備自衛官補(一般)」

医師、看護師、建築士、外国語学習得等国家資格保持者は「予備自衛官補(技能)」

となります。

大学生や専門学校生は、予備自衛官補(一般)が特別な資格がなくとも試験を受けることができます。

教育訓練日程は、一般コースなら3年で50日

引用:防衛省ホームページ「予備自衛官補の教育訓練

大学在学中だけでなく、一般企業に勤めている人も休暇等を使って訓練を受けていたりします。

基本的な訓練は陸上自衛官の基礎訓練と同じです。

何かしらの国家資格保有者が該当する技能コースは2年以内で10日の訓練日程プログラムが適用されます。

海上、航空自衛隊の予備自衛官補のコースはなく、正式にそれぞれの隊員となって退職することが条件になります。

訓練参加のための交通費は支給されます。訓練日程期間中の食事、宿泊場所は駐屯地から提供され基本的に費用が発生する事はほぼ有りません。

訓練参加について日当(1日8,800円 2025年現在)が支給されます。

予備自衛官(一般)コースは訓練日程を消化して予備自衛官に任命されます。

大学生の場合は夏休みを利用して訓練を行って予備自衛官になる方が見られます。

予備自衛官になってから

気をつけるのは、大学卒業後自衛隊以外の就職をする時は、就職先に予備自衛官であることを素直に伝えましょう。

もし緊急招集が起きれば、仕事を投げ出して対応しなければならない状況になるからです。そうなれば会社や所属組織に人手不足など被害を与える事になりかねません。

予備自衛官補試験を受験するメリット

予備自衛官補試験においても、通常の入隊試験と同じ身体検査が行われます。募集要項上の身体的な面での懸念事項があればペーパーテストが合格点でも、不合格になります。

大学卒業時に自衛官への道に進もうと思っている方は、予備自衛官補試験を受験、結果で大学後の進路決定の参考にもなるでしょう。

試験、予備自衛官補になってからのデメリット

大学生、専門学校生であれば学業の時間を訓練に取られてしまいます。

また企業勤めの方は上記で触れたことにも関わりますが、仕事を休んで訓練を受ける必要が出てきます。

また、予備自衛官補、予備自衛官になったからといって、その後就職として自衛官の入隊試験を受ける際に、何かが免除されるわけではありません。ご注意ください。

Youtube等で元自衛官の方が視聴者から「高校卒業後、進学と自衛官への道に悩んでいる」と言う質問に「進学」と断言していて、予備自衛官補の選択肢が無いことが気になってこの記事を書きました。

試験を受けてみるなら、お住まいの都道府県所在自衛隊地方協力本部へ

自衛隊に関わる試験だから近傍の駐屯地、基地に直接問い合わせても問題はありませんが、手続きに関しては、採用試験担当にあたる地方協力本部に問い合わせるとより早い対応になります。

ご自身の連絡が取れる方法を伝えておけば、担当広報官が手続き等サポートをしてくれるでしょう。ただし未成年の方は保護者の署名が必要になるので気をつけてください。また高校生以前の段階で担当広報官とやりとりされている方は、担当の広報官に連絡を取ってみてください。

不合格だとしても国防の形は別にあります。

年齢条件が52歳未満とはなりますが、何度でも受験は可能です。しかし、不合格が続くようなら身体面での欠格事項に触れている可能性があります。

予備自衛官、自衛官になれなくとも普通に働き、防衛費につながる税金を納めることも国防の形です。

以上です。