耳を傾ける/心が弱っている人に寄り添う方法

心理カウンセリングの手法で「傾聴」というやつの話です。

文字通り、相手の話に耳を傾ける事ですが聞き手となる自分はただ聴くだけで相槌を打つのみ。

これは人の話したい、聞いて欲しいというような心理的欲求の一つを応用したもので、傾聴によりストレスを緩和させることが目的です。

自衛官時代、階級が上がっていくと当然、後輩なり部下なり増えてきます。それぞれが悩みやストレスを抱える事がありますが自衛隊、心理カウンセラーの役割を上級者が務めることがあり、組織として心理カウンセラー講習を行なっています。

講習では5分間相手の話しを聴き続けるトレーニングがありますが、大体の人が聴き続ける事が大変だと感想を漏らしているのが心に残っています。変な話、聞くのが大変なら喋るのがどれだけストレス解消につながるかというのがはっきり感じ取る事ができました。

傾聴の手法は何も心理カウンセリングだけでなく営業でも応用できるもので、相手の話を聞く事ができる営業は信頼度が高いと思います。ただ営業さんだと利益を追求することになるので予めの線引きをしとかないとただ話を聞いて契約取れずとなりかねないかなとも。

傾聴によるリスクがあまり語られていないのも気にはなります。具体的には話す人の悩みを自分の悩みにしてしまうことです。こうなると一気に自分のストレスが増えていきます。

それと、元から思考がおかしい人間の話しを傾聴しても改善されることはないということです。

講師のカウンセラーの方に質問したら、傾聴はあくまで「元気な時は真面目でまともな人がストレスによって病んでいるところを、心理的ストレスを緩和させまた元気な状態に戻す」ことが目的なので元から思考のおかしい人はまず変わらないという結論に至りました。これは私もなんとなく分かっていたので納得しました。

精神面の話で心に残っている話は養老孟司著「バカの壁」の中にある一文です。詳しくは書きませんが医学部を卒業し精神科関連のお医者さんになった人が数年後には患者側になっていたというやつです。

余談で傾聴のトレーニングの時、5分間喋る内容として家族のことが例に上げられましたが私はドラ○ンボールの感想を喋っていました。

以上です。