2019年時点では、インターネットの発達でスマホでも気象庁や海外の気象機関の予報が見ることができるようになって、一般の方でもより詳しく天気予報に触れる機会が増えていると感じます。
年末年始の冬の時期、気になるのが雪や寒さです。
そこで寒気の流入がいつごろになるかを自衛隊気象員時代にやっていた経験的手法で普段は観測しています。
目次
寒気の解析を解説
寒気の場所は
解析するのは北半球500hPa高度・気温天気図です
上の図は2019年12月16日21日本時(世界時ではお昼12時)の500hPa高度の等高度線と等温度線が解析された図になります。これから目安となる緯度経度やおおよその寒気の場所を見やすく色付けします。
オレンジ色で日本列島(本邦と自衛官現役時代は表現していました)を目立たせ、日本付近は東経140°の経度線を緑色で塗ります。
また日本の本州がほぼ収まる緯度線の代表として円状線の北緯50°を緑色、弧状の線の北緯30°を深緑色に塗ります。
図の中央上部の左右に紫色の楕円で覆ったところに気圧の谷が見られ、寒気があるだろうというのが見て取れますので目立たせました。
左の紫の楕円の位置はおおよそ北緯30°、東経40°となります。
一方右の紫の楕円はおおよそ北緯30°〜50°の範囲、西経15°となっています。
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寒気の訪れはいつ頃か
500hPa高度の気圧の峰、谷や気温分布はおおよそ一日に経度10°ほど東に移動することが統計的に分かっています。
したがって東経40°付近の寒気は10日後の12月26日、西経15°付近の寒気は15〜16日後の大晦日から正月にかけてやってくるかも
予報ではなく、あくまで唯の目安として頭の片隅に置いときます。
念のため二週間ほど先まで予報している海外の気象予報サイトWORLD WEATHER ONLINE(https://www.worldweatheronline.com)で東京・築地の天気予報を確認します。
寒気の訪れとしてはほぼ目安通り予報されていますが12月30日までは雪にはならないと予報しているようです。
予想の場所や位置は日々変化する
実際のところ寒気の訪れは様々な要因があって、日にちや寒気の強弱が変化するので気象庁の天気予報を信頼し細かくチェックします。
強い寒気が近づくと地上天気図でも特徴が現れる
2019年12月29〜31日までの天気図を気象庁「過去の天気図」から下記に引用します。
12月29日、30日では各天気図の左上、バイカル湖付近に「H」の記号があり1060hPaを超える高気圧が解析されています。
日本ではほぼ観測される事のない値の高気圧です。この気圧の高さの原因は、寒気により空気が冷やされて密度が高まった結果による物です。そして数日は動かないことも特徴です。空気自体が重くなり南側にある山地を越えられない事が要因です。
そして12月31日には西日本の彦根や津で初雪となる強い寒気の到来となりました。
見やすい気象アプリで最新の天気予報を手に入れる
話は変わって最近、Twitter等でよく目にするデータは「Windy」という気象予報アプリのものです。
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Windy(Windy.com)自体はチェコのプラハに本社を置く企業で、2014年に設立され基本となる気象予報データは、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)、NOAAアメリカ海洋大気庁(GFS)とスイスの気象関連企業から提供を受けいているとWikiには書かれています。
一週間ほど先のWindyの予報(とは言ってもほぼECMWFかGFSの予報)は、日本を含む極東アジア域の精度に関しては気象庁ほどではないようです。
過去にTwitterでWindyの予報を元に、一週間ほど先に関東に台風が来る予想を呟いた人がいましたが何回も外れています。これは台風の細かな統計的観測データを気象庁の方が多く持っていることが要因ではないかなと自衛隊の気象関連部署で勤務していた経験です。このことについて触れたブログ記事はこちら「その予報は信頼できるの?/台風の進路予想の精度について調べてみた」をご参考ください。
とはいえWindyは3日先ぐらいの精度は気象庁と変わりなく、細かい時間分けをして非常に見やすいのは確かです。
そして風(風向・風速)、雨だけでなく気温、波浪・うねり等など多種の要素が見られるのでサーフィンだけでなく屋外、アウトドア活動には非常に便利だと言えます。
話は戻って、過去のブログ「年末年始といえば雪」にも書いた2010年の大晦日から元旦にかけて鳥取で起きた大雪による国道9号線の車の立ち往生の災害を思い出します。この時も大体12月半ばには、やばそうだなーとか思いながら勤務していた記憶がはっきりとあります。
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まだ年末年始の話には少し早いこともあるので気象庁の天気予報をしっかり見ていきたいと思います。
以上です。