「50%しか水が入っていない」のではなく「まだ50%も入っている」と考えるとイノベーションが生まれる。
偉大な起業家ピーター・F・ドラッガーのビジネスの考え方で、コップの中に入っている水の話を知っている方は多いかと思いますが、これは社長とか企業のトップなどマネジメントする側の言葉と言えます。
しかし組織の一員であればこの考え方を持つのはちょっとどうかなと、自衛隊の経験では思います。
優秀な指揮官であれば「50%しか水が入っていない」、「まだ50%も入っている」というような考え方でなく、客観的に冷静に状況・情報を観測し感情にとらわれないように「コップの中に50%水が入っている状態」と考えるでしょう。
目次
50%水が入っている状況を客観的に受け入れる
私が指揮官にコップの水について聞かれる立場なら、次の要素は頭に入れておきます。
- 50%の水が入っている状態
- コップの形状・大きさ
- 水の温度
- 色や濁り具合
- 観測した時間
- 観測した場所
- 他にも一緒に見た人物
- 可能であれば味
細かく見ようと思えばいくらでも見られますがざっと上記のことを観測はしておくかも。
50%の水が入っている状態
このことによって50%の水でできる事を指揮官は考えます。そして先を見越して40%、 30%と減っていくようであれば次にどういう手を打つかを考えるのが指揮官です。
コップの形状・大きさ
形状や大きさも重要です。200mlコップと500mlコップでは同じ50%でも水の量は全く違います。
水の温度
冷たいのかぬるいのか、コップは耐熱ガラスで実は熱いのかも
色や濁り具合
飲める水なのか安全なのか、安全でないなら別の用途も考えるでしょう。
観測した時間
おまけの情報として把握しておきます。
観測した場所
これもおまけの情報として把握しておきます。
他にも一緒に見た人物
指揮官がより客観的な情報を求める際に伝えることもあります。
可能であれば味
味については、水なので必要ないといえばそうなんですが、じつはレモン水だったりとかする場合は伝えるかも。
「50%しか水が入っていない」とネガティブに捉える様なら様々な言動が及び腰になるとは思いますが、反対に「まだ50%も入っている」様なポジティブすぎる考え方だと個人の言動なら素晴らしいとは思います。
組織の裁量権を持つ人がこれに近い言動をとると部下に無茶な負荷を与えかねないので、組織としては考えものです。
そもそも「しか」「まだ」という様に感情的に支配されている判断と言うのは個人の経験や知識により大きく左右されるので他者を動かすためには向いていません。
繰り返しになりますが、客観的に冷静に状況を観測するということが最も大事だと個人的には思いますし、実践しています。
もう一段階、踏み込むなら観測の結果を中学生でも理解できる説明をする様に努力したいとは思います。
以上です。