誰にでもできる役立つ情報収集・分析/ミリタリー的インテリジェンスの話

2022年2月24日修正

自衛官時代に広報業務をやって身につけた情報収集・分析に対する考え方についてついて書いていきたいと思います。

目次

情報収集について

『異なる複数の情報源から得る』

例えばメディアの例です。

スマートニュース

一方はネガティブな面、不安を強調したニュース記事、他方は淡々としたニュース記事がある場合、2つニュース記事を見ることによって内容の良し悪しは別として違う表現・論調があることに気づくことがあります。

一つのニュース記事だけだと物事の本質が見えないことが多々あります。見えない部分を減らすために多くのニュース・記事を目にすることが大事となります。

多くとは言っても良いことばかり書いている記事、反対に悪いことばかり書いている記事のどちらかに偏ってしまうと余計に見えなくなりますのでバランス良くどちらの記事も見るのが良いと考えます。

例にとると、元自衛官が窃盗や何かしらの事件の加害者になった場合、「元自衛官が」を大きく取り上げるメディアと、そこまで大袈裟に書かないメディアがあります。特に興味深いのは地方メディアも大きく違う点でした。

私は15年ぐらい前から各メディアが一定の方針をもって記事を書いていることを知っていましたが、自衛官勤務時代の広報業務でより具体的に知ることができました。

広報業務の関連で様々な地方で起きたこのような事件について各部隊から情報共有として知ることができました。

情報分析について

『集められた情報資料をもとに的確に現状を把握』

情報の観点からいくとメディアの場合、一つ一つの記事は『情報資料』と表現され、この『情報資料』を集めたものが『情報』となります。

ここで大事なのは的確という部分です。感情的になり善悪で物事を見たり、過去の経験の思い込みだけで見てしまうと分析自体が歪むことがあります。

ここまでが情報の話となります。

自衛隊・組織だと分析後の結果を元に部隊・組織全体の行動計画を運用系のセクションが担う役割となります。最後は指揮官の決心・決定です。

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日常生活で応用

これを日常生活で応用する例とするなら、ネットの口コミレビューですね。

スマートニュース

例えばネットの通販で欲しいものを購入する際は、星5の良い評価ばかり見がちですが、星1の悪い評価も一応、目を通すようにします。

星1の悪い評価のレビューは少なめで、感情的な文章となり的確に悪い面を書いていないの場合が多いのですが、中には客観的に書いていることもあるのでそれはそれで重要です。

これだけで買い物を失敗してお金を損する確率が減らせるのではないでしょうか。

でも買うときは『失敗しても当たり前』とリスクを覚悟でポチるのが一番を個人的には思っています。ですが今の時代はすぐに返品交換対応してくれるケースがほとんどなので、そこまでストレスがないのがありがたいことです。

フェイクニュースやデマ

フェイクニュースやデマについて必要以上に不安を煽る内容だと感じたら気をつけましょう。

デマやフェイクニュースの特徴として他にも「原因を解決する方法や対策を明確に示さない」ことです。

日本ならよくあるのが天気予報に関係するものです。

とあるアバンギャルドな天気予報をアピールする気象予報士の方が不安を煽るツイートなどをしていたようですが、気象庁の天気予報をしっかり見れば避難するタイミングなどはわかります。

この話について解説したブログ記事のリンクを下に貼っておきますので参考にお読みください。

令和2年(2020年)台風10号の進路予想と観測結果、及び被害状況から見えてくるファクトフルネス

ロシアによるウクライナ侵攻

2022年2月24日、ロシアが武力を用いたウクライナへの武力侵攻を開始しました。

ロシアは武力侵攻の前段階として、ロシアのイメージをよくする情報をさまざな著名人、メディアを通じて広めていました。

私はロシアの情報戦略にそこまで詳しいわけではありませんが2001年に発覚したロシア駐在武官ビクトル・ボガチョンコフ海軍大佐による海自3佐への接近、籠絡そして情報漏洩の事件(Wikipediaから引用:ボガチョンコフ事件)を現職中に体験し、その技術の高さと巧みさに驚きました。

そしてウクライナ侵攻前段階におけるロシアの情報戦略も日本においてはほぼ成功したとも言えそうです。

国際法では武力による侵略行為はいかなる理由でも禁じています。

情報戦略・戦術の怖いところは「いつの間にか、相手に好印象を持つ」ので警戒していてもなかなか防ぎようがありませんのでご注意ください。

以上です。