災害があった時の国や自治体の支援要請について/災害対策基本法から解説

2019年(令和元年)9月8日から翌日9日にかけて台風15号(ファクサイ)が関東地方に上陸し千葉県、神奈川県を主に強風と大雨で大きな被害をもたらしました。当然ながら自衛隊の災害派遣等の支援も実施されています。

目次

災害対策基本法の解説

災害時の国・自治体の支援要請の流れ

  1. 被害を受けた各市町村から各都道府県知事へ支援要請
  2. 各都道府県知事で対応しきれない場合に国の担当大臣に要請
  3. 国から自衛隊の災害派遣命令他の関係省庁の対応

という順番になります。起点は個人または地区からの要請があるのが基本です。

災害対策基本法上の流れは上記のようになりますが、東北大震災でもそうだったように、最初の支援要請をあげる各市町村の役所が深刻なダメージを受けて連絡手段を失う・そもそも連絡できる立場の人が被災して身動き取れない場合があります。

このような場合に県が速やかに国へ、または国が都道府県からの要請が時間がかかると判断した場合は要請を待たずして災害支援・災害派遣を行うことができることが災害対策基本法の第62条から72条にかけてだいたい明記されています。(参照:災害対策基本法

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詳細になると行政だけでなく道路公団、電力会社、ガス会社、通信事業者ほかさまざまな団体・企業が関わってきます。

ところで、ツイッターで発災直後に呟かれた

  • 『政府は内閣改造している場合じゃない』
  • 『国は早く対応して』
  • 『自衛隊はなにしてるの』

等々の多くのリツイート、イイねについてですが、『各自治体からの要請待ち状態』としか言えません。

そして内閣改造や首相が何もしていないから災害対応が遅れているというのは全く関係ありません。

内閣・政府が機能を失っていても官公庁だけで災害支援が円滑に行えるために災害対策基本法があります。

この度の2019年の台風15号(ファクサイ)の被害については各市町村、各県の伝達手段が完全には途絶えておらず、故に現地市町村の被害状況の情報を把握してからの対策、応援要請しようという県行政の対応姿勢となり国への災害派遣要請が遅れたのかなと、個人的には見ています。

それに被害にあった各市町村の職員さん達は自身も被災者ですし、何よりほぼ初めての事態のため対応をマニュアルはあっても見ている余裕はなく、ただただ慌てて目先のことに忙殺されるだけという状況が想像できます。

非常事態ではOODAサイクルが活用できる

地方公務員の人には普段なら効率よく仕事をこなすPDCAサイクルがぴったりですが、こと緊急事態、非常事態には対応が上手くできず防災としてはいまいちになりかねません。

こういう時に強いのは、最近ミリタリーの世界からビジネスシーンに現れたOODA(ウーダ)サイクルが適しています。

OODAサイクルについて解説したブログ記事を貼っておきますのでよろしければ参考にお読みください。

仕事のやり方がPDCAサイクルからOODAループへ変わって行く

個人での災害対応について軽く触れた前回の記事も合わせて貼っておきます。

令和元年(2019年)台風15号(ファクサイ)の被害から改めて考えるサバイバルテクニック

以上です。